狂気を運ぶ暴雨

第3話 1/2/3

ジャドルは微笑みながら話した。

「公爵はまだ恋というものについてわかっておりませんね?」

「何故…ですか?」

「人間というものは…恋愛が深くなればなるほど、相手のささいな変化に揺れるものなのです。
また恋愛が一番きれいに咲いているところには、相手の眼差し一つでも喜びと哀しみを感じてしまうのです。
まだ早いです。フロイオン・アルコンを二度と立ち直れないようにするとしたら、
彼の心が燃え上がり、熱くなれるよう、私達が手伝いましょう」

「フロイオン・アルコンとジュリエット・エリアルの愛情が一番深くなった時に彼を倒すということですか?」

「その通りです。しかし私が直接入り込むのは難しい。そこで公爵の出番です」

「分かりました。何でも命じてください。国王陛下のためなら何でもやります」

「二人を親密にするには、やはりもっと頻繁に会えないと。
公爵は二人がもっとよく会える場を作ってください。
また隣で相手にもっと積極的になれるように煽ってくださいね」

「分かりました。しばらくは二人の間を祝福するように動きましょう」

その時、侍女が入ってきて、ジャドル・ラフドモンにささやいた。

「公爵、私はここで失礼します。また」

「はい。では、また」

ジャドルは部屋から出て、国王が待っている部屋に向かった。ジャドルは自分も知らないうちに微笑んでいた。

‘恋か…恋というものは一時の情熱に過ぎないけが…恋以上に人を中毒にさせるものもない’


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