運命の分かれ道
第2話 1/2/3 フロイオンがジュリエットに告白した後、二人はもっと深い関係になった。 フロイオンは彼女の為にも必ず国王になると決心したが、状況は甘くはなかった。 エルフとの戦争でリマ地域にいたハーフエルフの傭兵が全員カイノンに戻り、ハーフリングの街の中で、住民たちがお互いを殺害する残悪な事件が起こりハーフリングはダークエルフに戦争宣布することを延期してしまった。 ある程度事件が収まり、ハーフリングたちがヒューマンと協約しダークエルフとの戦争を準備している様子だったが、ヒューマンとエルフの交流都市であるアルマナ荘園がオークたちに襲われてしまい ハーフリングはヒューマンの力を借りることが出来なくなった。 時間はながれ、支持者たちの集まりもだんだんその熱気が冷めていた。 フロイオンは焦りがちになり、ジュリエットはそんなフロイオンを慰めてあげた。 そのある日、少し顔が赤くなったジュリエットが邸宅にやってきた。 彼女は幸せそうな笑顔でフロイオンの胸に走ってきた。 「いいニュースがあります」 「どんな?」 「当ててみてください。ただ教えてあげるのは面白くないでしょう?」 ジュリエットを抱いたままフロイオンは何かを考えてみる様子だったが、よく分からないといった顔で首を横に振った。 「ダメです。考えてみてください。このまま諦めてしまうとがっかりする人が二人もいますよ」 「まさか…」 フロイオンが驚いた顔でジュリエットの顔を見つめた。ジュリエットは優しい笑顔でフロイオンの耳にささやいた。 「私…あなたの子供ができました」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |