運命の分かれ道
第1話 1/2 カエールの名前を聞いたアリエはいきなりのどが詰まったように言葉が出なかった。 バナビは今までのことをゾナトに説明した。 ゾナトが倒れた後、捕まえた3名のエルフたちと、監獄に閉じ込められていたエルフたちを殺害したヘベット、エルフたちを探しにきたアルマナ荘園の領主、やむを得ず彼らを殺し、エルス港連合軍に送還されたカエールのことを。 自分の意識がない間に起こったさまざまなことを聞いたゾナトを深くため息をはいた。 「不幸が不幸を呼んできたか…」 「カエールはジャイアント支援軍が届けば、我々もエルフたちに自分の解放を要求できるといいました」 潤った目でアリエが話した。 「そう。そうなるのなら、それ以上のことはないだろう。 それよりエルス港連合軍が来たと言ったか?ならエルス港でヴィア・マレアの軍隊にカエールを渡すだろう。 その間はエルス港の監獄にいるのか…もしかして、彼と出会うかも知れないな」 「誰のことですか?」 「カエールから何の話も聞いてないのか?まあ、彼のことを憎んでいたから、彼がエルス港にいることを知らなかったかも知らない。カエールの父親は、エルス港連合軍の総司令官だ」 アリエは驚いて何も言葉が出なかった。 「犯人になって自分を捕まえた軍人として出会うなんて…もしかしてカエールの運命かも知れない。 アリエ、心配しないで。きっとカエールは無事にカイノンに戻るだろう」 ・次の話に進む ・前の節に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |