運命の分かれ道

第2話 1/2/3

「お久しぶりですわね。フロイオン・アルコン様」

派手な服装のジャドル・ラフドモンが兵士たちの中から優雅なる身振りで歩き出た。

「なぜ、ジュリエットにない罪を問うのか!」

「はあ…なぜそんなことを…彼女の部屋からラウケ神団という偽りの宗教の本が見つかりました。
また、周りの人々に宗教の教えを伝えようとする姿も目撃されました」

「ラウケ神団は偽者ではありません!」

兵士に捕まえられた体を振りながらジュリエットが叫んだ。

「あら、ジュリエット・アリエル様…ご存知ではありませんでしたか?
私たちは火の神、フロックス様を信じています。私たちを創造したフロックス様が私たちを全滅させようとしていると主張しているラウケ神団はどう見ても偽者にしか見えません」

「彼女を放せ!魔女め!」

ジャドル・ラフドモンは腰につけていた自分の杖を取り出して話し始めた。

「あら、酷いわ。魔女とは…でもしょうがないことです。偽りの宗教で国民を翻弄した罪は想像より重い罪でございます。国王陛下はジュリエット・アリエルの罪はあまりにも重大な罪である為、捕まえたら即時処罰するように命令しました」

「やめろ!」

まるでフロイオンの叫びが聞こえないように、ジャドル・ラフドモンはジュリエット・アリエルに向かって杖を振るった。
巨大な炎が起こりだして、ジュリエットは一瞬で燃え上がった。
悲鳴を上げる暇もなく、ジュリエットは灰になってしまった。

「さあ、帰ろう」

灰になったジュリエットを抱きしめて叫び挙げるフロイオンを後にし、ジャドルは兵士たちとゆっくりとその場を去っていた。

「うあああああ!」

フロイオンの悲しい声がイグニスの空に響きわたった。


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