第四章 隠された真実
第9話 1/2/3 風に舞い降りる羽のように、 川に流れてゆく花びらのように、 一つの光りが砕け散るそのときに、 不滅の闇は目を覚める。 悲しみが泣き、 絶望が叫び、 苦痛が恐れる 暗黒の時間の始まりに、 ドラゴンの息吹が大地に根を下ろし、 生命の泉は乾く。 そして 空から降りた雨粒は海で一つになる。 ロハンの子供たちが太陽に向けて歩き出す。 光の子が闇の中で目を覚ます。 重たい叫びの中で真の声を聞き、 世界の果てまで歩き出すであろう。 水の子が喉を渇かす。 浮かび上がる欠片が全てを染めると 涙に染みていく虹を歌うであろう。 炎の子は死を味わう。 心の安息が終わり、灰から生まれ変わったら 復活の羽ばたきで永遠へ向かうであろう。 大地の子が沈黙する。 涙と微笑で怒りを抱き 凍りついた魂に優しい手を伸ばす。 木々の子が冬を迎える。 乾いた枝と落葉の中で自分の根を見つけ、 最後の種に笑って挨拶する。 影の子が血の匂いをかぐ。 全てから目をそらされて、全ての優しさを感じると 心の扉が開かれ古びた鍵に手を伸ばす。 海の子が空を見上げる。 分かれ道に立ち、鏡の中の自分を見つめ、 黄金の靴の変わりに茨の冠をかぶる。 我が声は去っても、 我が涙は永遠たるもの、 ヘルラックよ、 汝に希望の鍵を預けよう。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |