第四章 隠された真実

第1話 1/2/3

モンスターの数が増える事によって町の数が減る、もしくは要塞になっていた。
そして住民の不安がる姿も見かけた。でも噂の狂信者は見つからない。

ついさっきまでもトリアンは仕事ではなく、旅でもしているような気持ちでいた。
しかし狂っているといっても言い過ぎではないことを目にしたトリアンはその噂が本当に起きていることで、思ったより深刻であることに気付いた。

「これで1つの罪がまた浄化された。
この世の全ての罪が浄化されれば、女神もまた我々の前にその姿を現すだろう。
その時我々は神に救われるのだ」

祈りを呟いた男がまるで独り言のようにしゃべり、そばにいたエルフは全員うなずいていた。
そしてしばらくそのまま立って祈りをあげた後、またマントを被ってその場を去ろうとしていた。

トリアンは素早くワンドを握り、呪文を呟いた。
緑の風がトリアンのワンドから流され、狂信者らを囲んだ。
彼らは慌てて逃げようとしたが、土から出てきた木の幹が足首を巻いていることに気付いた。

「何者だ!」

トリアンは万が一のために彼らが腰につけていたワンドを落としてから近づいた。

「私の名はトリアン・ファベル。
女王陛下の命令であなた達の罪を問うために来ました。」

「陛下?我々が一体何の罪を犯したというのか。
女神マレアのために罪まみれのこの大陸を浄化しているだけだ!」

淡い緑の目をした狂信者が叫んだ。
彼はさっき死んだ男の頭の上に手を置いて、祈りを呟いた者だった。


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