第四章 隠された真実
第6話 1/2/3 「ロハン大陸の全ての創造物を消滅させねばならぬ。さもなくば我々も、主神のように消滅せざるを得ない」 ドラゴンが消滅したあと、全ての神がロハの提案に同意するまで、ロハン大陸の創造物たちは自分とは異なる種族と遭遇し、お互いの文明を共有しながら、進歩を早めていた。 毎日のように新しい生命体が生まれると同時に、神たちの力は徐々に弱まっていった。 それにドラゴンとの戦争で力の消耗が激しかったので、元の状態に戻るまでにはどれぐらいの時間が必要になるかも分からなかった。 そうして、神たちはモンスターを創造した。神たちの命令に忠実であり、絶対服従し、神の代行者としてロハンの種族たちに死を与える創造物たちを。 エクサイン、パラゴン、オークなど、数々のモンスターが神たちの指先から生まれた。 しかし、主神オンの創造の力を借りて創ったものではないので、モンスターに自分の意思というものは存在せず、ロハンの種族たちよりも未開で不完全だった。 モンスターがロハン大陸の大地に立ち上がったときから、 毎日ロハンでは血の匂いが耐えず、恐怖に怯える悲鳴が響くようになった。 そこで止めることなく、ロハはロハンの主な種族でなく、 少数種族にも彼らの命を担保に命令を下す。 「ロハンの種族を滅せよ。彼らが絶えれば、お前らの命だけは助かる」 セントール、アピール、ピクシーやエント、そして数々の少数種族は生き残るため神たちの命令に従うと答えた。 彼らはモンスターと共にロハンの種族を攻撃し始めた。 ロハンの種族たちは自分の創造主である守護神たちに祈りをささげた。 助けを切望する彼らの祈りが絶えなく下位神の耳に流れてくる。 神たちも苦しかったけど、彼らの祈りを聞くことは自分たちの消滅に繋がることだったので、ロハンの種族の祈り声からは耳を閉じ、涙からは目をそらした。 もう何も見えなくなり、聞こえなくなった。 「まるで水中にいるように・・・」 マレアはそっと呟く。 口から気泡が浮かび、水面を揺らす。揺れて歪んだ空が元の姿を取り戻したとき、目の前にロハの顔が現れた。 彼は何気ない顔でマレアを見つめる。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |