第四章 隠された真実
第14話 1/2/3/4/5/6 エドウィンは剣を引き抜き二階まで走りあがった。 扉が開き、タスカーの姿が見える。 「タスカー!大丈夫ですか?!」 エドウィンの声にタスカーが振り向く。 「私は大丈夫だけど、ダークエルフが…」 エドウィンはタスカーの前に立って、両手で剣を握り部屋に入った。 追いかけてきたグスタフがランプを持ち上げ、暗い部屋の中を照らす。 床には昼間に遭遇した暗殺者が意識を失って倒れていた。 警戒を解かず後ずさりでフロイオンを確認したエドウィンはタスカーに彼が無事だと言った。 エドウィンは暗殺者が握っていた武器を奪い取ったが、彼女は死体のように倒れているだけだった。 「彼女を止めたのはだれですか? 確か刃がぶつかる音がしたのですが…」 エドウィンは部屋の中を見回したが、タスカーやフロイオンを除いて誰もいなかった。 タスカーはゆっくりと部屋に入り、血が付いている壁を指した。 「さっきまであそこに男の人がいたけど…」 エドウィンはタスカーが指差したところに行ってみたが、人の気配はなかった。 ただ壁に塗られている血痕がまだ乾いてなかったのでタスカーの見間違いではないことは確かだった。 「消えましたね」 タスカーの傍に戻ってエドウィンが聞く。 「何があったんですか?」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |