第四章 隠された真実

第14話 1/2/3/4/5/6

「夜中に目が覚めて、隣の部屋にいってシルバ様への祈祷書を読みながら、心を落ち着かせていたけど、いきなり戦う音がしたの。
走ってきてみたら、一人の男の人が暗殺者と戦っていたわ」

「お知り合いでしたか?」

「いいえ、初めてみる人だったわ。
お蔭様で助かったのに、お礼も言えなかったわね。
ハーフリングとしてはちょっと背の高い人だったんだけど…」

グスタフは倒れている暗殺者がまだ生きているのかを確認して、不思議そうにつぶやく。

「変だな。
体に何の気力も残ってないのに、死んだのではなく眠っているとは…」

「生きていますか?」

タスカーがグスタフに静かに聞く。

「生きてはいるけど、生きているとは言えないね。
だからといって死んだとも言えないし…
当分は目覚められないようだが…
あるいは、このまま一生起きないかも知れん」

「目が覚めるように助けないといけないですね」

暗殺者を助けるというタスカーの言葉にエドウィンは惚けた顔をした。

「タスカー、彼女は人を殺そうとした」

「分かってるわ」

「なのに何故?」

タスカーはエドウィンの質問に何も応えず、暗殺者を隣の空いたベッドに寝かせるように頼んだ。
エドウィンは呆れ顔で彼女の言うとおりに、意識の無い暗殺者をベッドの上に寝かせた。
タスカーは暗殺者の武装を解除して、床に置いたあと、布団を被せた。


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