第四章 隠された真実
第16話 1/2/3/4/5/6/7 「心配するな。 気を失っている」 「暗殺者を助けるとは、あまりにも安逸ではありませんか?!」 フロイオンの激しい反応にエドウィンは予想していたように、ニヤッと微笑む。 グスタフは怒りが篭った声でフロイオンを叱った。 「その話通りにすると、俺らはダークエルフである君を森で見捨てただろうね。 だが俺らはそうしなかった。 君はダークエルフである以前に命が危なかったんだからね。 あの人に言いたいことがあったら、あの人が完全に治った後、ここから遠くまで離れてから、叱なり喧嘩するなり好きにしろ。ここにいる間はうるさくするなよ」 「しかし…」 「しつこいヤツだな。 つべこべ言う力が残っていたら、食事でも取ってきな」 その時になって初めてフロイオンは自分が長らくの間、ちゃんとした食事を取っていないことに気づいた。 エドウィンはフロイオンがベッドから起き上がるのを助けながら言う。 「僕たちは外で食事でも取ってきましょう。 あなたや僕にはハーフリングたちの命に対する考えは少し理解しにくいものかも知れませんから」 エドウィンの支えでようやく立ち上がったフロイオンは、隣にあるマントを取り上げながら自分のスタッフが真二つに折れているのを見つけた。 ・次の節に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |