第四章 隠された真実
第10話 1/2/3/4/5/6 ジャドールの顔の色が変わった。 誰が見ても彼女が非常に怒っていることが分かった。 「フロイオン・アルコン卿がまだ生きているというのですか?」 「申し訳ありません」 「信じられませんわね。最高の暗殺団だと聞いていたのに… どういうことです?」 セリノンはライのミスでフロイオン・アルコンが逃げ出した後、今まで追撃してやっと任務を全うしようとした瞬間に現れたヒューマンの聖騎士とハーフリング、そしてハーフリングに雇われたハーフエルフの傭兵の妨害で作戦が失敗したことを説明した。 「こちらも仲間が二人も失う大打撃を受けた状態です」 セリノンの説明が終わるとジャドールは右側に立っているライを見つめながら問う。 「貴方の目標がフロイオン・アルコン卿でしたか?」 「はい、さようでございます」 「ライは任務の失敗と仲間の死に対する責任を持って自決するつもりです」 セリノンがライの言葉を切って割り込んだ。 「死で責任を取るとのことですか?」 ライに視線を向けたままジャドールはセリノンに聞く。 「シャドーウォーカーのルールです」 「ふうん…」 しばらく何も言わずにライを見つめていたジャドールが顔を巡らしてセリノンを眺めながら言う。 「フロイオン・アルコン卿は今どこに?」 「我々が最後に見たときに、彼は意識をなくしていました。 それに長い追撃によって疲れ果てましたので、多分近くのハーフリングの村に保護されていると思われます」 「ではこうしましょう」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |