第六章 嵐の前夜

第13話 1/2/3/4/5

「彼女は生きる運命だな。ダークエルフがいるはずがないハーフリングの村にちょうどダークエルフが一人いるなんて」

「ダークエルフがここにいるというのですか?」

その瞬間ドアが開きフロイオンが入ってきた。ロレンゾとガラシオンはびっくりした表情でダークエルフのフロイオンを見た。

「ちょうど良い所に来てくれた。フロイオン、挨拶してね。こちらが前から話をしていた「青いマントの医者」とその息子のガラシオンだ」

「初めまして。フロイオンと申します」

フロイオンはダークエルフらしく優雅なる身振りで自分を紹介した。

「初めまして。ロレンゾ・パベルと申します。この子は息子のガラシオンです。本当にびっくりしました。ダークエルフがハーフリングの村にいらっしゃるとは…」

「グスタフさんに命を救っていただいた上…彼女に聞きたいこともありまして、しばらく泊めさせてもらっています」

その瞬間フロイオンの目とライの目が合った。フロイオンの目には、自分の暗殺を依頼した相手を聞こうとする強い意志がこもっていた。

「そうですか。でもよかったですね。彼女にかけられている呪いを解く為にはダークエルフの魔法が必要で悩んでいた所でした」

「そうではないかと思っていました。彼女にかけられている呪いは古代の黒魔法。しかもイグニスでも禁じられている魔法です」

グスタフとロレンゾはびっくりしてフロイオンを見た。そのロレンゾを見ながらフロイオンがしゃべった。

「解くことができないのも当然だと思います。ダークエルフの中でもこのような魔法について知っている人はほとんどいません。魔法の呪いを解く為にはダークエルフの魔法とエルフの魔法を混ぜ合わせる必要があります。ロレンゾさんはどう思いますか?」


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