第七章 破られた時間

第10話 1/2/3/4

「投石器で視線を逸らすってことでしょうか?」

「はい、投石器で城壁を攻撃しても民間の人が犠牲になることはないでしょう」

グレイアムは納得したように頷いた。バルタソン男爵はジフリットが指差した地点をじっくりみながらジフリットに声をかけた。

「フム、衝車を北の壁へ持って行こうとしたら、東に曲がらなくちゃいけないな…夜移動するしかないか」

「はい、衝車で城の北へ移動し城内へ侵入するのはエドウィンに任せた方がいいと思います」

静かにジフリットの説明を聞いていたエドウィンはびっくりして自分の兄に目を合わせた。

「シュタウフェン伯爵に、私たちが城の北を狙っていることを気づかれないようにする為には今まで顔を出したことのない人に任せたほうがいいと思います。エドウィンも兵士を仕切ったことがあるので、彼を信じて任せていいと思います」

バルタソン男爵はゆっくり頷いて、グレイアムを見ながら意見を聞いた。

「私も司祭ジフリット様の意見通り、バルタソン君に任せることに賛成します。シュタウフェン伯爵はバルタソン男爵と私がここにいると知っているので、明日の朝、姿を見せない人がいると疑われると思います。いきなり兵士が減るとシュタウフェン伯爵に怪しまれるので、あまり多くの兵士を投入することが出来ません」

「私に任せてください」


・次の節に進む
・次の話に進む
・次の章に進む
・前の節に戻る
・前の話に戻る
・前の章に戻る
・目次へ戻る