第七章 破られた時間
第11話 1/2/3/4 ジャイアントの人が自分を訪ねたっていうことでびっくりしたようだった。ゾナトも緊張を隠せずにカエールに聞いた。 「ジャイアントの人がなぜエレナに会いたがっている?どんな人だった?」 「雰囲気では戦士のようでしたが、かなり長い旅をしたのか相当疲れた様子でした。エレナさんがここにいることをベロベロというハーフリングの人から聞いたそうです」 「!!どこですか!どこにいますか?」 ベロベロという名前を聞いた途端、エレナの顔色が変わって聞き詰めた。ゾナト・ロタースはカエールにジャイアントの人をここまで案内するように言った。カエールが部屋を出た後もエレナは落ち着かない様子だった。ゾナトは理由を聞いた。 「ベロベロは眉毛ミミズク長老です。また私のお爺さんでもあります。だいぶ前にイグニスへ旅立ってから連絡がありませんでした。 ダークエルフの警備兵たちが森の中で彼の遺品を見つけてそうですが、私は信じられなくて…葬式までしてしまったので、もう忘れたほうがいいとか言われましたが、私は彼がどこかで生きているとずっと信じていました」 もう少しでベロベロに会ったというジャイアントの人が着くからと言って、ゾナトはエレナに落ち着くようにといったが、不安な気分を隠せなかった。エレナは耐えられなくなって外に飛び出そうとした時、カエールがジャイアント一人と一緒に入ってきた。 カエールが言った通り、ジャイアントは戦士のようで、かなり疲れた様子だった。カエールはゾナト・ロタースの隣へ行きながら話をした。 「先ほど言った通り、預かった武器はカイノンから離れるとき返します」 ジャイアントの人は少し気に障ったような表情だったが、うなずいた。いらいらしているエレナを見つけて、肩に隠していた何かを引き出した。 「あなたがエレナさんですね。僕はジャイアント王国ドラットのナトゥと申します。イグニスでベロベロというハーフリングと出会いましたが、彼から貴方に渡して欲しいと託されたものがあります」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |