第八章 夢へと繋がる鍵

第13話 1/2/3

周りは聖なる光に囲まれていて、立っている人の影が床に長く模様を作っている。
顔を上げて人々の顔を見ようとしたが、まぶしくて見えない。人数は影を数えると10名程度だが、種族も全部違うようだった。ヒューマンもエルフもいるようだ。見たことの無い種族もいた。憎悪や敵対心は感じられなく、お互いに信じあっていることが分かった。

ありがとう…

誰かの声が聞こえてきた。自分が微笑んでいることが分かった。

「カエール!アリエ!大変だ!カエール!」

急に目が覚めた。窓の外にはまだかすかに月が見える。
頭まで完全にさめずにぼっとして天井を見上げていた。

「夢だったのか…」

先ほどの信頼や感謝の気持ちがまだ心に残っているのに、目の前には眠る前にみたアリエの顔だった。
アリエはまだ目を閉じたまま、しかめ顔で何かをつぶやいているように唇を動かしている。
ドアが揺れているのを見てからやっと自分が目を覚ました原因はドアを叩いている音とセルフの声だったと分かった。

「大変だ!ドアを開けてくれ!」

カエールがドアを開けるまでセルフの緊迫した叫びは続いていた。
ドアを開けてカエールが顔を出したら、セルフは息を切らしながら怒りだした。

「早く起きろよ!」

カエールは唖然とした顔で冷たい顔で言った。

「早く起きろというが、まだ夜中だぞ。一体どうした?」

「あのエルフ達が全部死んじゃったよ!」


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