第八章 夢へと繋がる鍵
第14話 1/2/3 ・・・主神オンの手から山が生まれ、川が生まれ、オンの息吹で生命が誕生した。 エドネが子供達を生んで、彼らにロハン大陸を支配する種族を創るように命じた。 それがロハンの歴史の始まり… ロハはマーブリングされた石のドアに刻まれている文章を読んでから深くため息を吐いた。 硬く閉ざされている父の部屋は彼が消滅した後からは1度も開いたことがない。 ロハは何度も中に入ろうとしたが、ドアは彼を受け入れてくれなかった。 ロハは自分の部屋に向かって歩き始めた。 ‘主神が消滅すると、誰が予想していただろう?’ 主神オンが消えた後、下位神たちが恐怖に囲まれていた時もエドネの声が聞こえたのはロハだけだった。 エドネは涙を流しながら叫んでいた。 遥かに遠くから聞こえてくる彼女が言ったのは一つだけだった。 ロハン大陸を滅亡させて、主神オンを復活させろ。 エドネの言葉を聞いたが、すぐには誰にも言えなかった。 自分の部屋に閉じこもって繰り返し考え続けた。 ‘何故ロハン大陸を滅亡させることで主神オンを復活させろと言ったのだろう?’ ずっと考えた後でやっと主神オンが消滅した理由がロハン大陸の繁殖にかかわっていることが分かった。 ロハン大陸の生命体が増えると主神オンが持っている生命力は減る。 赤ん坊がお腹の中で、母親の栄養を吸い取って成長するように、ロハン大陸の生命は全てオンの生命力を吸収して成長していた。 母親は食べることでまた回復できるが、主神オンはそれが出来なかったのだ。 無限だと信じていた主神オンの生命力にも限界があったのだ。 やがて自分の創造物に全ての生命力を奪われた主神オンは消滅してしまったのだ。 ‘次は俺たち?’ ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |