第八章 夢へと繋がる鍵
第5話 1/2/3 ライネル川の中流にあるアルマナ荘園は、モンスターに占領されたレゲン奪還のために エルフとヒューマンが連合し交流が急激に増えたため、260年に建てられた。 一つの貿易都市としての役割で、地理的にはヴィア・マレアの管轄のため、荘園の管理もヴェーナから派遣されたエルフで構成されていた。 アルマナ荘園の最高責任者は、ロザリオ・ベニチだった。 彼はシルラ・マヨル・レゲノンの命令で荘園に派遣され、 たった一つの家族であるベルナスを連れてアルマナに赴任した。長い間、徴税や裁判などいろいろな行政業務をうまくこなしてきた。しかし、アルマナ荘園を管理することは容易なことではなかった。 ヒューマンとエルフが共存する場所で、ハーフリングやハーフエルフのような第3種族が訪問することもある。 様々な種族が共存するため、予想不可能な複雑な問題が発生し続け、ロザリオ・ベニチは仕事に追われる日々を過ごしていた。 アルマナ荘園の業務以外には時間の余裕は全くなく、息子ベルナスの教育は家庭教師に任せるしかなかった。 息子と過ごした時間がほとんどなかったので、ベルナスが行方不明になったことを聞いて、やっと息子がもう子供ではないことに気が付いた。 ロザリオは家庭教師から渡されたベルナスが残した手紙を読んでいると、見知らぬ人から送られてきた手紙を読んでいるような気がした。 ベルナスの手紙には自分は神から授かった命令を実行するため、ルネタ・モース、ガビエル・アルジナと一緒に旅立つと書いてあった。 一緒に旅に出たメンバーの名前も、家庭教師から説明を聞いて息子の友達だと分かった。 息子の顔を思い出そうとしたが、自分が思い出せる顔はアルマナ荘園に着いた頃の 幼い息子の顔だけで、手紙を書いた息子の顔は分からなかった。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |