第八章 夢へと繋がる鍵
第7話 1/2/3/4 エミルを探しに家を出てから、息子の部屋に入ったことがなかった。 頭では息子の死をわかっているつもりだが、息子への思いが少しでも頭に浮かぶと心が折れそうになったので、息子の部屋に入れそうにはなかった。 しかし、ラウケ神団について調べるためにはエミルの部屋にも入らなければならない。 他の情報収集家たちが集めた情報は全部目を通してみたが、手がかりになりそうな情報はなく、確かな情報すらなかった。 文献室に保管されているラウケ神団に関する情報は 全てラウケ神団の人たちの証言を基づいたものだった。 ‘ラウケ神団の人たちは、現在ロハン大陸にモンスターが急増し、人々を攻撃してくるのは終末の象徴であり、 下位神たちがロハン大陸のみんなを滅亡させるために仕組んでいるためだと言っている。 彼らは真心をこめた祈りだけが、神様の怒りを抑えて、 終末の悲劇を避ける唯一の方法だといった。 ラウケ神団は預言者ヘルラックが残した預言書に基づいて行動しているそうだ。 ラウケ神団の人たちはその真実を皆に知らせるためにこの大陸を旅していると信じていた。彼らは自分たちの行動に自信を持っていた。 ラウケ神団の教主はエリシャという人だそうだ’ これが文献室にあったラウケ神団に関する資料だった。 これだけでは息子がなぜラウケ神団に入ったのか分からない。 部屋の前でタスカーは深呼吸をし、心を落ち着かせてドアを開いた。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |