第八章 夢へと繋がる鍵
第8話 1/2/3 主神オンがエドネの為にロハン大陸を作り、様々な命を創造したときには、善悪の区別はなかった。 しかし、下位神たちが個々の種族を創るとき、善と悪が出来てしまった。悪魔たちが中心になって世界の善を破壊し、悪に染めていこうとした。 主神オンは、古代の悪魔たちを巨大な塔の中に封印し、大地に埋めておいた。 悪魔たちのリーダー各である15匹の古代の悪魔と彼らの子孫が封印されてから世界は平和を取り戻した。 しかし、オンが消滅して時間が経ち、悪魔を封印していた塔も魔力を失ってしまい、 レブデカとパルタルカの間の大地を突き破り、高くそびえ立ってしまった。 魔力を失った塔は悪魔を封印できなくなった。溶岩を噴出する火山のように塔からは悪魔が飛び出した。大陸の国境を守っていたドラゴンたちは、その塔を呪いの塔と呼んだ。 本来持っていた聖なる力を失った塔は悪魔の呪いで満ちていた。下位神たちも悪魔たちが解放されたことを知っていたが、大陸の終末のために黙認していた。古代の悪魔が大陸の各地に広がり、そのうちのひとりに千の顔を持っていると知られているアヴァドンという悪魔がいた。 「アヴァドンが千の顔を持っていると言われる理由はご存知ですか?」 気持ち悪い笑みを浮かべながらアドハルマが大長老に聞いた。 「さあ…体に顔がいっぱいついているんだろうか?」 「ククク…それもできるかもしれませんね」 「何がいいたいのか、分からないが」 せきをするような笑い声を出しながら、アドハルマが説明した。 「ククク…アヴァドンの本当の姿を知っている人はいません。 彼は自由自在に変身するからです。黒魔法を使っているため、出会った人で見える姿も全部違います。 例えば、朝に会った人が‘アヴァドンは人の顔をしてトラの体をしていました。 口からは火の塊を吐き出していました’と言っても、夕方会った人は‘アヴァドンは魚の頭に蝶々の羽根がついていました。吹雪で攻撃してきました’というのです。 それでアヴァドンは千の顔を持っていると言われるのです」 「なるほど」 「だから、大長老の言うとおりに、ひとつの体に千の顔を持つ姿も可能でしょう」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |