第八章 夢へと繋がる鍵
第10話 1/2/3 予想外の攻撃にグレイアムは何も出来なく、後ろに転がった。 バルタソン男爵はショックで体が固まってしまい、ジフリトが走ってきてエドウィンの肩を捕まえた。 「エドウィン!何をしている!」 「どうして!どうしてそんなに残酷ですか!」 倒れているグレイアムに更に殴りかかりそうな勢いでエドウィンが叫んだ。 グレイアムは兵士たちの力を借りて立ちながら、冷静な口調で話した。 「国王陛下の命令です。シュタウペン伯爵は国王陛下の命令に服従しなかったのです。 彼の息子が死んだとして、その罪がなくなるわけではありません。 彼の息子はもうモンスターになっていました。 国民の安全のために一匹でも多くモンスターを退治しようと努力していることは 誰よりあなたが知っているじゃないですか?」 「自分の父の死を防ぐために、ここに現れました! モンスターに出来る事だと思っていますか?」 「放っておけば、いつかは自分の父親まで殺すモンスターになったはずです。 ワーウルフになった以上、彼は我々が殺すべきモンスターであります」 「しかし…!」 グレイアムにもう一回反発しようとしているエドウィンをジフリトが止めた。グレイアムは握っていた剣を鞘に収め、 「デル・ラゴスの中心は国王陛下です。 国王陛下に忠義を尽くさない人々が増えるとデル・ラゴスも国として存続できません。 そのとき、我々がデル・ラゴスのヒューマンだと正々堂々と言えますか? われら騎士が存在する理由は、デル・ラゴスの栄光が永遠に続くように 国王陛下の命令に従うことであります」 グレイアムは城に向かった。 松明をもっていた兵士たちは急いでシュタウペン伯爵の足元に積まれている丸太に火をつけた。 一瞬で火は空までそびえた。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |