第八章 夢へと繋がる鍵

第11話 1/2/3/4

今ダークエルフの国王であるカノス・リオナンは大陸全土を支配する野望を持っているそうだ。
貴族と王室の戦いが続いていたので、戦争の準備をする暇が無かったのだろう。
しかし、イグニスの上流層と下流層の不仲は激しく
いつ爆発するか分からない火薬庫みたいなものだった。
ほんの小さな火種さえあれば、下流層のダークエルフ達は一瞬で暴動を起こす状況だった。
この状況をごまかすためにもダークエルフ達には戦争が必要になった。
カノス・リオナンはジャイアントと秘密契約を結ぼうとしているようだ。
いや、確実に動いていると思う。

ジャイアントがダークエルフ達と同盟路線を選ぶかどうかはまだ分からないが、もし同盟になるとしたら、最初に攻撃されるのは我々ハーフリングたちだろう。
リマの豊富な資源が戦争の資本になるだろう。
もし我々がダークエルフとジャイアントの連合攻撃に負けてしまうと、次はデル・ラゴス、ヴィア・マレアになるだろう。
全種族を征服したら、ダークエルフはジャイアントまで攻撃すると思う。
全種族を征服することは無理かもしれないが、リマがイグニスの攻撃を受けることは事実だろう。

愛する我が孫よ。
俺の命と交換したこの情報で、ハーフリングの未来が安全になることだけを祈っておる。
俺の死が無駄にならないようにして欲しい。
遠くの空からシルバ女神と一緒にあなたを見守る。

       ベロベロより


「この手紙はどうやってお前が手に入れることが出来たのだ?」

大長老が震える声で聞いた。

「カイノンに一人のジャイアントが私を訪ねてきました。」


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