第八章 夢へと繋がる鍵
第14話 1/2/3 それを考えた瞬間、全身に寒気が走った。 自分が創造したヒューマン族が繁殖すればするほど、だんだん自分の力が減っていくことは感じていたがまさか自分の消滅に繋がるとは思いもしなかったのだ。 主神オンが消滅した。 選択肢は一つだけ。 エドネが言うように、ロハン大陸を破壊し、奪われた力を取り戻すことしかない。 急がなければならない。 急速に増えているロハの被造物に奪われている生命力も急増している。 まだ取り戻せることが出来る今のうちにやらなければならない。 そう結論を出したロハは兄弟たちにエドネの言葉を伝えた。 彼らも自分の力がだんだん減っていることには気が付いていたようだったが最初はみんな信じられない様子だった。 ロハン大陸の終末で主神オンを復活させることができるかどうかは分からない。 それに、奪われた力が戻るかどうかも分からない。 だが、このまま何もしなければ主神オンのように消滅することは間違いないだろう。 まずロハン大陸の種族がぶつからないように境界線に立っておいたドラゴンを消すことにした。 アルピアの果てに立ち、ロハン大陸を見下ろしたら様々な種類の10匹のドラゴンと彼らの赤ちゃんが目に入った。 ロハの手先がドラゴンの頭であるシルバードラゴンを殺し、ドラゴンと下位神たちの戦争が開始された。 主神オンが創造した生命体の中でも一番巨大な存在を滅亡させることは簡単には出来なかった。 急な攻撃でシルバードラゴンは倒れたが、他のドラゴンたちは団結して下位神たちに反撃してきた。 予想より激しいドラゴンの反撃に下位神たちも慌ててしまった。 ロハは呪いの塔の封印を破り、飛び出してきた古代悪魔たちの自由を約束して彼らの力まで借りてやっとドラゴンとの戦争に勝つことができた。 戦争には勝ったが、ドラゴンたちを滅亡させたわけではなかった。 ロハは夫婦であった青い髭のニッドホッグと赤い髭のリンドブルムを深い地下の暗黒の空間に閉じ込め永遠にお互いを捜し続けるようにした。 赤ちゃんドラゴンは、下位神の命令に従うモンスターにした。 他にもたくさんのモンスターを作ってロハン大陸の生命体を殺すようにした。 ピクシーやノールのような少数種族には他の種族を攻撃するように命令した。 自然と一つになって平和を守りながら生きていた彼らが下位神たちの命令に従った理由は一つだけだった。 終末のとき、彼らの命だけは守ってあげるという下位神の嘘を信じたのだ。 しかし、終わりが来た時、ロハン大陸に生命体は存在しないだろう。 残るのは静かな沈黙だけ。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |