第八章 夢へと繋がる鍵

第11話 1/2/3/4

「ジャイアントが?」

「はい。彼は私にベロベロ長老から頼まれたといいながら、小さい巻物を渡してくれました。
あそこには‘三日月の知恵を探せ’と書いてありました」

「暗号だね。意味はわかっていたのか?」

「ご存知だと思いますが、ベロベロさんは私の祖父です。
子供の頃、爺さんが教えてくれた詩があります。
‘ラムジ’の‘風まくら’という詩にはこのような文句があります。
‘白い眉毛のように見える三日月がかかっている夜には、賢い年寄りフクロウが話を始める’よく言ってくれたので覚えていました。
‘三日月の知恵を探せ’は、白い眉毛を持っている灰色のフクロウを呼ぶという意味です」

「白い眉毛の灰色のフクロウはベロベロが長老の業務に使っていたフクロウじゃないか?どうしてそいつに連絡できた?」

エレナは少し迷うように見えたが、泣き声で説明をし始めた。

「爺さんが旅立つ前日、私にフクロウを呼び出す笛を渡してくれました。
もしかして何かがあった時を考えて、私に預けておくと…
もし何かあったら、次の長老に渡して欲しいと…」

「だったら、何で次の長老のナカウに渡してなかった?」

「私は…爺さんが…ベロベロ長老が亡くなったと受け入れる事が出来ませんでした。
いつかご無事に帰ると…その時、この笛を渡すつもりでした」

大長老は深くため息をはきながら、自分の椅子に座った。
彼は何も言わずに遺書を見つめていた。混乱しているようにも見えた。

「複雑だな…。これを何処から解決できるのかは難しい。」

「まず他の長老達を集めて、意見を聞いたほうがいいじゃないですか?」

「そうだね。ベロベロが手紙に書いたように、本当にダークエルフとジャイアントは秘密契約を進めているのだろうか?」

エレナの声が高くなった。

「ベロベロさんの思いが大げさだと思っていますか?彼は理性的な方です。」

「落ち着いて。私もベロベロさんの考えに間違いはないと思っている。
ただ、先日の情報収集委員会でもこのような話をしている人はいなかった。
あなたも分かるでしょう。我らの情報収集能力については」


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