第八章 夢へと繋がる鍵
第13話 1/2/3 セルフは疲れた顔で死体を見ながら喋りだした。 「これからどうすればいいだろう?軍長はまだ意識不明の状態で、つかまった犯人は殺されてしまって…」 カエールは膝をついて死体の周りを見て、答えた。 「まずは犯人捜しだろう」 「同じハーフエルフを処罰するわけ?正直お前でもこうしたかっただろう?」 カエールは怒りにふるえながら抗議するように喋るセルフを一度見た後、また死体の周りを観察しながら落ち着いた声で答えた。 「処罰するとは言ってない。だがしかし、誰がこれをやったのかは知っておくべきだ。」 「何で?」 「今回の事件と関係ない他のエルフまで殺そうとするかもしれない。」 「まさか、そんな…」 「この死体を見てみろ。これは怒りと哀しみに狂ってしまった人の仕業だ。 これで満足できなかったら、他のエルフまで殺害し続けるだろう。最悪の場合、エルフ達が俺達に戦争を宣言する可能性もある」 セルフは何か犯人のヒントが無いかカエールに聞いたが、カエールは顔を横に振りながら立ちあがった。 「死体に刺さっている矢や剣も警備兵達に支給されたものだ。目撃者もいないだろう」 「あの…カエール。今カイノンにいるジャイアントに頼むのはダメかな?」 カエールは何の話か理解できずにセルフの顔を見た。セルフは少し迷った後、口を開いた。 「聞いた話では、ジャイアント種族は足跡から情報を掴むそうだ。俺達には見えない犯人の足跡が残っているじゃない?」 ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |