第八章 夢へと繋がる鍵

第15話 1/2/3/4

「プリア町にダークエルフの貴族がいるのでしょうか?」

無言で前をみながら歩いている警備隊長ダグハンの顔をちらっとみながら、警備部隊長ダキンが聞いた。

「大長老が確実ではない情報で判断するわけがないだろう。
何故ダークエルフの貴族がプリア町に泊まっているか分からないが、捕まえなければならない。念のため、みんなに‘ゼロス’を配ろう」

ダグハンの命令にダキンは補給担当に命令した。‘ゼロス’をもらった兵士達の神経はもっと鋭くなった。
最後の兵士まで‘ゼロス’をもらった時、ダグハンが大きな声で話した。

「我々は今プリア町にいるダークエルフの貴族を捕まえる為にランベルクからきた。
プリア町にいるダークエルフは一人みたいだが、最悪の状況も考えなければならないので、君達に‘ゼロス’を渡している。
着く前に装備するべきだが、時間の余裕がないので、進みながら装備するように!」

兵士達は2人組みになって、片方が装備を脱ぎ、‘ゼロス’を装備している間に、
片方が武器と防具を保管する形で、交代で‘ゼロス’を装備した。
東南で光っていた太陽も南西の雲に沈む頃になってダグハンとタキンの目の前にプリア町が見え始めた。
ランベルクから出て初めて、ダグハンが手を上げ、兵士達を止めた。

「入る前に最終命令だ。プリア町に泊まっているダークエルフの貴族は必ず生け捕りするのだ。
殺しては行けない。最悪の場合、ダークエルフにプリア町が占領されている可能性もあるのだ。
最大限住民達の安全を確保しながら生け捕りにするように最善をつくすように。
出発!」

「はい!」

ダグハンの足がまた動き始まり、兵士達も緊張の中足を運び始めた。
緊張で固まった兵士達とは関係なく、プリア町は平和で活気が溢れていた。

「最悪の状況ではなさそうです」

町の雰囲気を確認したタキンがささやくように小さい声で言った。
ダグハンは頷き、兵士達に町の周りを警戒するように命令した。
兵士達はそれぞれ素早く町の周りへ移動した。
町の住民達はいきなり現われた兵士達のせいで驚いた様子だった。

「いったい何でしょう」

グスタフが住民達の中から歩き出てダグハンに聞いた。

「失礼します。ランベルクから派遣された警備隊です。
私は警備隊長ダグハンで、こちらは部隊長のタキンといいます」

「始めまして。私はグスタフと申します。首都からこんな隅っこまで一体何の用ですか?武装した兵士達と一緒に…」

「ここにダークエルフの貴族であるフロイオン・アルコン卿が泊まっている情報を入手しました大長老の命令で彼を向かえに来ました。フロイオン・アルコンは今何処にいらっしゃいますか?」


・次の節に進む
・次の章に進む
・前の節に戻る
・前の話に戻る
・前の章に戻る
・目次へ戻る