第八章 夢へと繋がる鍵

第11話 1/2/3/4

「ベロベロさんの考えには証拠があります」

「本当なのか?」

エレナは頷きながら、懐の中からナトゥーから頼まれたフロイオンへの手紙を広げて見せた。

「これは、ベロベロさんの暗号文を伝えてくれたジャイアントが書いたものです。
彼はプリア町に閉じ込められているフロイオン・アルコンというダークエルフにこの手紙を渡して欲しいそうです」

大長老はエレナが机の上に広げておいた手紙を慎重に読んでいた。

‘フロイオンアルコン卿へ。この手紙をお読みになりましたら、即時カイノンに向かってください。
何があってもイグニスに戻ってはいけません。ナトゥーから’

「フロイオン・アルコン卿とは…」

「はい。イグニス国王であるカノス・リオナンの義理の兄弟です。
彼は第1王位継承者のはずなのに、ジャイアントの人が彼の命について危険さを
連絡することはおかしくないですか?
ジャイアントとダークエルフの仲が悪いのは、誰もが知っていることじゃないですか?
ベロベロさんの話通り、ジャイアントとダークエルフが秘密契約を進めていることは間違いないと思います。
もしかしてもう秘密契約が結ばれ、共同軍事作戦を練っている可能性もないとはいえないでしょう」

大長老の顔が固くなり、喚き声を出した。
しばらく高まっていた彼は乾いた声で言った。

「フロイオン・アルコン卿を人質にする必要がある」


・次の話に進む
・次の章に進む
・前の節に戻る
・前の話に戻る
・前の章に戻る
・目次へ戻る