第八章 夢へと繋がる鍵
第15話 1/2/3/4 「フロイオン・アルコン卿?確かにダークエルフの一人がこの町に泊まっていましたが。そんな変な名前ではなかったです。似ている気もしますね…フロンとフロイオンと…」 「フロンという名前はフロイオンのあだ名でしょう。彼は今どこですか?」 フロンの本名がフロイオンである可能性があると聞いて少し驚いた様子だった。 少し暗くなった声で答えた。 「彼は昼間ここから出ました。すれ違ったんじゃないですかね」 グスタフの答えにダグハンの顔が曇った。 「イグニスに戻ったのですか?しまった、チクショウ… タキン!兵士達にイグニスへ向かう準備をするように伝えろ!彼がイグニスに着く前に急ぐべきだ!」 タキンが兵士達に命令を伝える為に走っていくのを見たダグハンはグスタフに丁寧に挨拶してから自分も後を追った。 「一つだけ聞きたいですが」 グスタフの声にダグハンが足を止めて、振り向いた。 「大長老が彼を連れてくるように命令した理由は何ですか?彼のためにこんなに多くの兵士達が武装して動くなんて…いったい何が起こっているのですか?」 「理由は私も分かりません。だた、武力を使ってでも彼をつれてくるように命令されました。詳しくは分かりませんが、ハーフリングの将来がかかった、大事なことだと聞きました」 ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |