第九章 運命の渦巻
第11話 1/2/3 「そうだったのか…バタン卿が、まさか…」 ナトゥーから前後の事情を聞いたノイデは深刻な表情で頷いた。 ノイデと一緒にナトゥーの説明を聞いたクレムは興奮して高い声で言った。 「すぐバタン卿を捕まえるべきではありませんか!」 「政治家は十分注意をしなければならない。彼らは必ず抜け道を用意する。 特にバタン卿は油断してはいけないぞ。何より、ナトゥーが無事でよかった。」 「ご心配をかけまして、すみませんでした。」 ノイデは重たい声でナトゥーに話した。 「ダークエルフの使者が来て、ジャイアントの戦士がダークエルフ国王の暗殺を試みたと伝えた後、戦士会がどれほど暗い雰囲気になったのか想像も出来ないと思う。 国王陛下も衝撃を受け、協約を早く進めようとする政治家の圧力に悩んでいた。」 「それで、結論は出ましたか?」 「今晩最終決定のために集まる予定だったが、もう要らなくなった。 今すぐ国王陛下に君の話を伝える。」 席から立ち上がりマントをかけるノイデに、ナトゥーが声をかけた。 「もう1つ話したいことがあります」 ナトゥーが聞いた。 「何だ?」 「個人的な意見ですが、ダークエルフと協約を結ぶよりは、ハーフエルフを味方にした方がよいと思います」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |