第九章 運命の渦巻
第12話 1/2 緊張の連続だった。カエールとアリエ、セルフ、そしてバナビは毎日のように話しあった。 予測の中で最悪の事態は、一週間の内にエルス港にヒューマンとエルフの連合軍が 迫ってくることだ。残念ながら、これは今まさに起ころうとしている問題である。 「今の状況を乗り越えるための最も重要な案件ですが、うまく解決できたとしても 今後のことを考えると先行きは暗いですね… リマからは傭兵の契約を破棄するとの連絡が届いています。」 「現状では仕方のないことでしょう。リマの為にカイノンを放置するわけにはいかないでしょう。 契約のことも全ては生き残ってからです。」 バナビの話にセルフがぶつぶつと話した。 アリエは心配そうな口調でカエールに聞いた。 「リマとイグニスは本当に戦争になるのかな…」 「さあ…リマに派遣されていたハーフエルフは全員カイノンに戻っているから、リマがイグニスに戦前布告をするのは難しいのではないかな… デル・ラゴスやヴィア・マレアに援助を要請するかもしれない… 今は私たちの問題が一番深刻だ。」 「計画通りに準備は整っていますか?」 バナビの質問にカエールは頷いた。 「リマにいたハーフエルフは、カイノンに戻りました。 実戦経験が豊富な兵士たちなので、特に訓練はいらないと思います。 連合軍が来るとしても、多分我々の実力を過小評価しているので、兵力は少数ではないかと思います。 でばなをくじく事が出来れば、プライドを守るため、彼らは静かに解決をしようと考えるでしょう。」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |