第九章 運命の渦巻
第13話 1/2/3/4 客が全員集まったという執事の報告を聞いたフロイオンは応接室に入った。 ゴックシャルトを始め、5名が彼を待っていた。 中に入った時、フロイオンと同じ年頃にみえる若い女性がフロイオンの視野に入ってきた。 優雅な佇まいで静かにうつむいていた彼女が視線を上げ、目があった瞬間、フロイオンは心臓からドキッと音がなった気がした。 ゴックシャルトはフロイオンに挨拶し、人々を紹介し始めた。 「こちらがエッドマンド・ピエトラ公爵です。 ご存知だと思いますが、ピエトラ公爵は第4の宰相として勤めています。 その隣の方は、ルブリック・ハインリヒ公爵です。エッドアルドから来ました。 あちらにいらっしゃる方はカラニオン・ジッド公爵で、ハインリヒ公爵の親戚です。 その隣にいる方は、ドミニク・エリアル伯爵と娘のジュリエット・エリアルさんです。 ドミニク・エリアル伯爵は、青い炎の魔法ギルドの代表です。」 フロイオンは、ゴックシャルク将軍が紹介してくれる人物と次々と握手をしながら感謝の挨拶をした。 「皆さんが私を信じて従ってくれるという話を聞きました。 誠にありがとうございます。 皆さんもご存知の通り、私は先王のロシュ・リオナン陛下の庶子です。 私の出自のせいで多くの人がカノス・リオナン国王に命を奪われました。 私を守ってくれる人たちの為に今まで自分を抑えながら生きてきました。 しかし、これ以上は我慢できないほど、カノス・リオナンは悪辣になりました。 正しいことをいう者は処罰を受け、取り入ろうとする者だけが権力を握っているのが現状です。 私は皆さんの協力を共に、新しいイグニスを創りたいと思っています。」 「フロイオン・アルコンさんの言葉通りです。今のイグニスは腐っています。 カノス・リオナンはジャイアントと密約を結び、他の国を攻撃しようと画策していますが、このままだと、ジャイアントに利用されたあげく、捨てられるでしょう。」 ・次の節に進む ・次の章に進む ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |