第九章 運命の渦巻
第10話 1/2/3 ヴィア・マレアの大神官であるリマ・ドゥルシルは、主神オンの消滅を目撃し、理由はわからないがその後から下位神達がロハン大陸全体に敵意を表しているといった。 増え続けているモンスターも下位神から作られたと、下位神たちが望んでいるのは、ロハン大陸の滅亡… 当初はトリアンの話を受け入れることができなかった。 聖騎士団で報告するときもトリアンから聞いた話は一切出さなかった。 しかし時間が経つにつれ、だんだんトリアンの話が頭の中を大きく占めていった。 また彼女と同じく現状を解釈するラウケ神団の人々と出会った後から、神たちは本当にロハン大陸の全てを滅ぼそうとしているのではないかと思うようになった。 ダン族についてもっと情報を得るためヘルラックについて調べ始めたが、無意識のうちに、ヘルラックの情報から「この世を壊しているのは本当に神たちなのか?」に対する疑問への答えを求めてきたような気がする。 「結局、ヘルラックに関する資料は何も得られなかった。答えは出ないのか…?」 重いため息をついているエドウィンの耳にドアをたたく音が聞こえてきた。 ドアの外には執事がいた。 「ジフリトさんが、お客さんを連れてきました。エドウィンさんにも一緒に来て欲しいそうです」 「わかりました。今すぐ向かいます」 エドウィンは着替え、応接室へ向かった。 ジフリトは司祭になってから一度も客を連れてきたことがなかったので、久しぶりのことだった。 もしかして落ち込んでいる弟のために楽しい話を聞かせてくれる客を招待したのかも知れない。 エドウィンは応接室の前でドアをたたいた。 「入ってこい」 エドウィンはドアを開いて驚いた。 ジフリトの隣に座っている人はトリアン・ファベルだった。 グラット要塞で自分の命を救ってくれて、少し話をしただけだったが、エドウィンは彼女をはっきりと覚えていた。 エドウィンの驚いた顔を見て、トリアンは微笑んだ。 ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |