第九章 運命の渦巻
第4話 1/2/3 「彼らを殺してお前はすっきりしたかも知らないが、これでハーフエルフみんなが危険な状況になってしまった」 「カエール、やめろ!ヘベットは目の前で愛している人を失った。お前の目の前でアリエが死んだと想像してみろよ!ヘベットの気持ちが十分分かるだろうが!」 「もちろん俺も分かっている。しかし、ヘベットのせいでハーフエルフみんながヴィア・マレアから迫ってきたエルフに殺されることになっても、ヘベットの気持ちが分かると言えるかよ!」 「それは…」 「二人とも俺のせいで喧嘩する必要はない。俺がやったことでハーフエルフ全体が危険になるとしたら、俺の命を捧げるから」 いきなりドアが開いて、アリエが入ってきた。 「カエール!エルフが着た!」 「エルフが?何の用だ?」 「アルマナ荘園の領主で、自分の息子を探しに来たと、エルフ警備兵たちと一緒に軍長を探しているの!」 「まさか犯人の中に息子がいたということか?チクショウ!」 死んでしまったエルフたちの死体に驚くアリエを後にしてカエールは急いで広場へ向かって走り出した。ゾーナトがまだ意識を失っているため、バニビが代わりにエルフの相手をしていた。リーダーに見えるエルフがバナビに手紙を渡した。 バナビはエルフから渡された手紙に目を通してから、カエールに手渡した。手紙はヴィア・マレアの女王、シルラ・マヨル・レゲノンの親書で、カイノンで息子を探しているだけなので、協力して欲しいと書いてあった。 「ロザリオ・ベニチさん、なぜ息子さんがここにいると思っていますか?」 「私は息子がここにいないことを祈っています。エルフにとってカイノンは危険なところじゃないですか? しかし、この辺で息子がハーフエルフと一緒にいるところを目撃した人がいます。本当に息子がここにいるか確認するために来ました」 「なるほと。でしたら…」 バナビが話をしている途中、カエールが話し始めた。 「話し途中、失礼します。ちょっと聞きたいことがあります」 「何ですか?」 「もし、息子さんがカイノンで罪を犯しているとしたらどうしますか?」 「ペルナスはそんなことをする子ではありません。しかし小さい罪でも犯しているなら、ヴィア・マレアの法律に基づいて処罰されるべきでしょう」 ‘やはり3人の内一人がこの人の息子か。チクショ…ウ’ ・次の節に進む ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |