第九章 運命の渦巻
第7話 1/2/3 フロックスはリオナを抱き上げて雨の中を歩きだした。 止まらない涙を流しながら、リオナが眠れる場所を探して森へ向かった。 森の奥に白い花が咲いている木を見つけた。 フロックスは木の下にリオナを横たわらせ、周りの土で覆い始めた。 リオナの遺体を埋葬することに夢中だったフロックスは一匹の狼に気付いた。 狼はフロックスではなく、リオナの遺体を狙っているようだった。 沈んでいたフロックスの怒りが爆発してしまった。 「死ね!」 フロックスの手から大きい炎の塊が噴出され、狼は一瞬で燃えつき、悲鳴をあげる間もなく、灰になってしまった。 フロックスは土に半分程が覆われたリオナの遺体を見下ろした。 土に埋葬し、墓を作っても、野性動物のエサになる可能性が高いと思い、フロックスはリオナの遺体を消滅させることにした。 大きな炎が沸き上がり、リオナの遺体は一瞬で灰になった。 フロックスは灰が風に飛ばされるのを見ている間、押さえられない憎悪が燃え上がるのを感じた。 リオナを殺した存在も、リオナの遺体を狙う存在も、すべてを消してしまいたいと思い始めた。 ・次の話に進む ・次の章に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |