運命の分かれ道
第6話 1/2/3 グベルマンとジオバンニはエリアル伯爵を残して部屋を出た。 エリアル伯爵は静かにフロイオンに近づいた。 「こんにちは。フロイオン・アルコン様」 伯爵の挨拶にもフロイオンは反応がなかった。 「失礼ですが、隣の席に座らせていただきます」 フロイオンの隣にある椅子に腰をかけた伯爵は、何回か空せきをしてからようやく話し始めた。 「ジュリエットが亡くなってから始めてですね。遅くなりましたことをお許しください」 フロイオンは空を見上げるだけで、何の反応もなかった。 「娘は…生まれる時自分の母親を失ってしました。 そのせいかジュリエットは子供のごろから寂しがりやでした。 いつも元気よく過ごしているように見えても、時々何かむなしい顔をしていましたが、 亡くなる前までは幸せに満ちた充実な顔をしていました。フロイオン様のお陰だと思います。 そんな幸せなジュリエットは初めてみました。娘の人生の中で一番幸せな瞬間だったと思います。 一番幸せで輝いている瞬間だったので、娘は幸せの中で死んだと思います。 残った私たちは…大事にしている人を失ってしまった私たちは違いますね… 私も最愛の妻を失ってしまったので、その辛さをよく分かっています。 でも亡くなった人を心の中でずっと残してはいけません。娘の魂を行かせてください。 ジュリエットも望んでいると思います。フロイオンさんがこんなに心を痛めているところをみて 娘も悲しんでいると思います。」 フロイオンは、以前として何の反応も見えなかった。 エリアル伯爵は深いため息を吐いて椅子から立ち上がった。 その時、どこか遠くから力の無い声が聞こえてきた。 「私の…私のせいで、ジュリエットが…亡くなりました…私のせい…です」 ・次の節に進む ・次の話に進む ・前の節に戻る ・前の話に戻る ・前の章に戻る ・目次へ戻る |